まだ中学生の頃の話。 今でもはっきり覚えている出来事がある。 兄が服を万引きして、それが発覚した。 母親が兄を連れて、警察と店に向かった。 俺はその場にはいなかった。 後日、兄からその時の話を聞いた。 普通のテンションやった。 「いや、信号赤やのにそのまま行ってん」 みたいな感じで、笑いもせず、反省もせず、ただ事実だけを言ってきた。 一瞬、何言ってるか分からんかった。 当時、母親は兄のことで完全に追い込まれていた。 学校からの呼び出し、謝罪、繰り返し。 限界やったと思う。 帰り道、バイパス。 車が普通に流れてる中で、赤信号を無視して突っ込んだらしい。 事故にはならなかった。 でも、その話を聞いた時の空気は今でも覚えてる。 軽く言ってる兄と、頭の中でその光景が浮かんでる自分。 ゾッとした。 その場にいなくても、分かる。 ああ、もう壊れてるって。 そしてこの出来事ですら、 後になれば「まだマシやった」と思うようになる。 こんな事ですら、かわいいと思えるようになっていく。
3月29日 13:47

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